威厳ある入母屋造りの大屋根がとても印象的な伝統住宅。その印象を壊さぬよう、より引き立たせるよう、断熱・耐震改修後、壁に焼き杉貼りを施した外観。
美しい庭が見渡せる南側は断熱のテラス窓、西日のまぶしい西側の窓は断熱の腰窓へ変更。昔の戸袋はそのまま仕上げ直しをして残し、北側の水回り部分のみ、少々増築を施しました。
改修前の威厳を壊さぬよう、元素材を生かして丁寧にデザイン・改修した玄関。両脇タイルはヘリンボーン貼り、鋳物の照明がノスタルジーな空気を誘います。耐震補強の跡もわかりません。
高低差を緩やかにした広い玄関ホール。中央の廊下を境界に、とても自然に、右手がおばあちゃま・ご両親の居住エリア、左手が息子さんご夫婦の居住エリアと分かれます。天井より下がる和のシャンデリアは、元よりこちらで使われていたもの。中身をLED式へ改造後、復旧いたしました。
玄関ホールに移築された美しい書院と手掘りの欄間は、別の奥の和室にあったもの。長年収納内に埋もれ、外からは見えない状態にありました。表にでてきたこの機会に、裏からライトアップも施しました。
玄関ホールから直接広縁へのアプローチ。こちらの、実質息子さんご夫婦エリアへの入り口脇には、日々の生活に何かと便利、可動棚を設けました。
広縁を抜けると、息子さんご夫婦のリビングへ。こちらはこの家で一番明るく暖かい場所ーご家族皆が気持ちよくここに長居できるよう、色々配慮を施しました。耐震補強した壁はテレビスペースへ。周辺機器及び配線は、全て壁中に隠蔽させました。
西側広縁・南側広縁はLDKと一体化。元素材の柱・竿天井、差鴨居等、改修後の空間では、その年月を重ねたこその存在感が、より一層引き立ちます。
襖を開けると、さらにLDKとヒトヨセ和室が一体化。一体化した際のデザインも、齟齬は一切生じません。
原型を大切に残しつつ丁寧に改修したヒトヨセ和室。美しい書院と手掘りの欄間は奥の別の和室にあったもの、この機にこちらに移設しました。玄関ホールからもこの美しい造作が愛でれるようになりました。
食洗器付きの最新型キッチン。床材はデニム生地を模したデザインで水拭き可能。さりげなく空間を、若々しく、モダンに彩っております。
息子さんご夫婦の寝室。お気に入りの大胆なブルーストライプの壁紙が、逆に落ち着いたホテルのような雰囲気を醸し出しております。
最新型のユニットバスは、湿気を感じさせず暖かく、雨の日には衣類乾燥も出来て最高!との施主様からの評価。
トイレ。古民家であることを忘れてしまうような、モダンでお洒落な空間に仕上がりました。